美白化粧品で、なぜシミは消えないか

美白ブームになって久しい。でも、実際に当院の外来にシミ相談にみえる患者さんに「美白化粧品を使っていますか」とお尋ねすると、「特には使っていません」というお答えが多い。

なぜかというと、シミが気になって、使ってみたんですけど、消えないからやめてしまいました。それで、レーザーでもしないとだめなのかしらと思って、受診してみました」ということである。

なぜこのようなことが起こるのか。女性が気にするシミの大半は老人性色素斑(紫外線でできるシミ)で、一度完成してしまった老人性色素斑には、美白化粧品は効かないからである。

美白化粧品は、あくまでメラニンの生成を妨げるものである。消しゴムではない。老人性色素毎においては、皮膚全体が老化して、構造が変化していることが多い。

美白化粧品は当然、この皮膚構造を元に戻す作用はないのだ。

例えば、ジャケットにシミがついたとしよう。生地自体が傷んでいなければ、シミ抜きで元に戻すこともできるだろう。

でも、タバコで焼いて黒くなってしまったとしたら、どんなにシミ抜きしても、元には戻らない。生地自体が傷んでいるからである。

老人性色素斑は、皮膚構造が変化しているから、どちらかというとタバコでこげた状態に近い。こうなったら、こげた部分の生地を切り取ってかけはぎで直すしかない。それがレーザー治療なのである。

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