侮れない生活紫外線

「特に日焼けした覚えもないのに、どんどんシミができてくるんです」と、40代以上の女性はよくおっしやる。「日焼け」という言葉は、やはり子供の頃のような日焼けを連想させる。

赤くなってほてった日焼け後の肌…、そんな夏の記憶は、誰にでもあるだろう。でもそんな日焼けは、大人になるとほとんどしない。それでも、シミはどんどんできてくる。

それは、前述のように、毎日のちょっとした紫外線貯金がたまっていくからである。

例えば、寒い冬の朝。ゴミを出しに、集積所まで走る。その間にも紫外線貯金はたまって いく。紫外線は、冬でも、曇りの日でも、毎日ぶりそそいでいるからである。

このような、いわゆる「生活紫外線」と呼ばれるものは、ばかにできない量である。

主婦が、―週間(晴天が続いた場合)に浴びる生活紫外線は、真夏に海水浴で1時間に浴びる紫外線量と変わらないというデータもある。

ノーケアで買い物に行ったり洗催物を干したりしていると、毎週海水浴に行っているのと同じということになる。そうしてたまった貯金が、いっぱいになって溢れ出すのが40代くらいであることが多い。

そこから先は、洪水のごとくシミが溢れてくる。だからシミは、いわゆる「日焼け」をしなくてもできるわけてある。「日焼け」と認識するほどでもない、日々の微量の紫外線こそがシミの元凶なのである。

Pocket

シミは突然溢れ出る

日焼けすると肌が真っ黒になる。その日焼けがひいていったとき、その黒さの一部が残ってシミになるのだと考えると、確かにとてもわかりやすい。でも、本当にそうだろうか。

20歳くらいまでは真っ黒に日焼けすることもあるけれど、年齢が進むと極端な日焼けはあまりしなくなる人が多い。でも、40代にもなれば、ほとんどの人にシミができる。

海なども、もう何年も行っていない人でも、毎年どんどんシミができる。

シミといってもいろいろな種類かおり、でき方もいろいろである。紫外線だけでなく、ホルモンなどもシミの発生に関係している。

ただ、当院の外来で、女性が「シミができました!」と訴えてくる場合、ほとんどは「老人性色素斑」というシミである。

これは、主に毎日の紫外線の積み重ねで、皮膚が少しずつ変化してできたものと考えてほしい。

 老人性色素斑を顕微鏡で見てみると、皮膚の中でメラニンが増えているだけでなく、表皮全体が厚くなるなど、皮膚の形自体も若干変化してしまっているのがわかる。

生まれたときから浴びた紫外線は、皮膚の中に少しずつダメージを与え、そのダメージはすべて蓄積されていく。 それがあるレベルを超えたときに、老人性色素斑が発生する。

ちょうど皮膚の中に紫外線貯金箱があって、紫外線が毎日貯金されていくようなものである。 貯金箱がいっぱいになると、突然溢れ出してシミができる。

だからほとんどの人が、「突然できた」と訴えてくることが多い。今、肌がきれいでも、紫外線の貯金箱はギリギリまできているかもしれない。

Pocket